皆さんは海をイメージするとき、どのような映像が頭に浮かびますか?
青い空、青い海、太陽の光を受けてキラキラと輝く波や砂浜。そんな海を想像する方は多いのではないでしょうか。
深海が大好き!という方はすでにご存知でしょうが、人々が海水浴やマリンスポーツを楽しむ海とは全く違う姿をしています。
海面から潜っていくと海はどんどん暗く冷たい世界へと変わり、水深200mをこえると太陽の光は海面の1000分の1にしか届かなくなります。
そして1000mを超えると、そこは完全な漆黒の闇に包まれた世界へと変わります。
でも、それはまだまだ深海の入り口にすぎません。
なぜなら深海の一番深い場所は、なんとその10倍もの深さがあるのです。
私たちの住んでいる地球という星は、「水の惑星」とも言われているように海と陸の割合が7:3だと言われています。
地球の海の総面積(海水でおおわれている面積)は362,822,000平方キロメートルで全面積に占める割合は約71.1%となっていますが、海と陸地の面積は常に変動しているため正確に定めるのは難しいとされています。
そんな地球の7割をも占めている海の95%は実は全て「深海」です。
ここで「深海」について詳しくみていきましょう。
深海の定義
深海とは、一般的に植物プランクトンが光合成できる限界とされている水深200mよりも深い海のことを指しますが、厳密な定義があるというわけではありません。
ですが、海の体積のうち200mよりも深い部分は95%にも及ぶと言われています。
つまり、海のほとんどが深海なのです。
深海をいくつかの層に分類すると、
水深
0m~200m 表層
200m~1000m 中深層
1000m~3000m 漸深層
3000m~6000m 深海層
6000m~11000m 超深海層
となります。
地球で最も深い場所は、グアム島の南にあるマリアナ海溝チャレンジャー海淵
その深さは、なんと10916mにもなります。
これは世界一高い山であるエベレストが簡単に沈んでしまうほどの深さで、日本の山で例えるなら富士山が3つ沈んでしまうほどの深さなのです。
地上でいうと飛行機が飛ぶほどの高さになります。とてつもなく深いですよね。
ちなみにこのマリアナ海溝はとても広く、北の端は日本の小笠原諸島の近くまで伸びており、私たちにとって意外と身近な場所でもあります。
また、水深が深くなるにつれて水圧が高くなり水の重さが圧力として加わります。
地上で1平方センチメートルにかかる圧力は約1㎏ですが、圧力(水圧)は10m潜るごとに1気圧ずつ増えていきます。
水深1000mで約101気圧、水深6500mでは約651気圧となります。
つまり、水深6500mの深海では同じ面積(1平方センチメートル)に約650㎏の水圧がかかることになります。
さらに、水圧は360度すべての方角からかかるため、私たちの体のように中に空気が入っているものは一瞬にして潰されてしまいます。
このようなことから、深海に行くにはとても頑丈な船が必要なのです。
深海は水温もとても低く、水深200m~1000mで水温は急激に下がりはじめます。
水深が深くなるにつれ、緩やかに水温が下がり、水深2000mくらいになると水温は約2℃で安定します。
深海は暗く水温が低く水圧が高く、さらに食べ物も非常に少ないとても過酷な世界ゆえに「宇宙より謎に満ちた場所」と言われています。
そんな深海には、生物は存在しないと考えられてきました。
しかし調査が進むに連れて、深海には過酷で独特な環境に適応した様々な生物が暮らしていることがわかってきたのです。
深海には今まで見たことがない不思議で神秘的な深海の生物が沢山存在します。
科学の進歩によって深海の研究は飛躍的に進んでいますが、まだまだ謎の多い深海。
深海図鑑どっとこむでは、深海に少しでも興味がある人々に最新情報や深海に潜む生物を出来るだけわかりやすくお伝えできれば嬉しく思います。