「ダイオウイカ」や「ダイオウグソクムシ」などの深海生物をみてもわかるように、深海には巨大な生物が多く生息しています。
なぜ深海には巨大生物が多いのでしょうか。実は深海だからこそ生き物が大きく育つ理由があるのです。
海でも陸でも言えることですが、ほとんどの生物は自分より大きな生き物との戦いを避けるため、大きな体の生物は敵から食べられにくい傾向にあります。
例えば、ダイオウグソクムシは陸上の生物であるダンゴムシやフナムシの仲間ですが、ダイオウグソクムシの全長はそれら陸上の生物の20倍以上もあります。
ダイオウイカに関しては全長18mもありますので、浅瀬に生息するイカと比べるととても大きなことがわかると思います。
このように深海生物は敵に食べられないように様々な工夫をしています。
深海生物の巨大化も「他の生き物から食べられないための工夫のひとつ」なのではないかと考えられています。
不思議な見た目も身を守るための工夫のひとつ
深海魚や深海生物は不思議な見た目をした生き物が多く存在しますが、これも深海で生き抜くための工夫をした結果だと考えられます。
深海では、全身が真っ赤な生物や透明な生き物が多く存在します。
目立たなくするために透明になるのはわかるけど、真っ赤になってしまったら逆に目立ってしまうのではないか?と思ってしまいますよね。
実は陸上では目立ってしまう赤色でも、深海では目立たない色が赤色なのです。
赤外線や赤などの光の波長は海中に吸収されやすく、青や緑の光の波長は水深100~200mまで届きます。
ですので、暗い深海では目立たなくなる真っ赤な体は敵に見つかりにくいため身を守りやすいのです。
色以外でも奇妙な姿をした生物が深海にはたくさんいますが、これも深海で生き延びるための工夫のひとつなのです。
その不思議な姿や生態とともに紹介されることが多いため、深海には不思議で変わった生物しかいないと思われている方も多くいます。
ですが、深海には「キンメダイ」や「ホタルイカ」など、浅い海の生物とそんなに見た目が変わらないものもたくさんいます。
奇妙な見た目で驚くべき特徴を持つ生物がいる一方で、意外と深海には見た目が普通の生物もたくさん暮らしているのです。