この不可思議な見た目の深海生物を知っているという人は、何人くらいいるでしょう?
この生物の名前は「コンドロクラディア・リラ」。
まるで楽器のハープのような見た目をしていることから、「コンドロクラディア・リラ」(ラテン語で「リラ」はハープ、「コンドロクラディア」は海綿動物)と名付けられたそうです。
ちなみに、「コンドロクラディア・リラ」とは学名であり、最近になって「タテゴトカイメン」という和名がつけられました。
そんな深海の海綿動物、コンドロクラディア・リラについてご紹介します。
コンドロクラディア・リラの生態や特徴について
コンドロクラディア・リラは海綿動物門多骨海綿目(かいめんどうぶつもんたこつかいめんもく)エダネカイメン科コンドロクラディア属に属している肉食性の海綿動物です。
モントレー湾水族館研究所(MBARI)による調査で、カリフォルニア沖の水深3316~3399m付近の場所で発見されました。
2000年に初めて発見された新種で、これまでに2000年と2005年の調査で1個体ずつが採集されており、2012年に報告されました。
肉食の海綿動物と言えば、「ピンポンツリースポンジ」も知られています。
海綿動物や「ピンポンツリースポンジ」について詳しく知りたい方は、こちら【ピンポンツリースポンジの生態と特徴!深海の肉食カイメン】もご覧ください。
コンドロクラディア・リラの大きさは高さが約26~37㎝、長さが約60㎝と意外にも大きいです。
中央から横に1~6本の枝がまっすぐ伸びており、そこからたくさんの枝が上に伸びています。
コンドロクラディア・リラは根のような「根茎」と呼ばれる部分で海底に固定されています。
上に伸びたたくさんの枝にはトゲのようなものがあり、それを使ってプランクトンや小さな甲殻類をひっかけて食べるそうです。
捕らえられたエサはうすい膜で包み込まれ、ゆっくりと消化されます。
コンドロクラディア・リラを発見した研究チームは、海流と接触する体の表面積を広くして、たくさんの獲物を捕らえるためにこのような特徴的な形に進化したのではないかと推測しています。
また、枝の先端にある丸い部分は精子細胞と呼ばれる精子を凝縮したパケット(小さな包み)になっており、周囲の水に放出されます。
放出された精子パケットは、海流の流れに乗って他のコンドロクラディア・リラのもとまで運ばれます。
他のコンドロクラディア・リラがその精子パケットを捕獲することで受精するそうです。
コンドロクラディア・リラは2000年に発見されたばかりの生物なので、詳しいことはまだわかっていません。
コンドロクラディア・リラの動画や画像
こんなに奇妙な生物が地球上に存在するなんて、いまだに信じられませんよね。
ここではコンドロクラディア・リラの動画や画像をまとめました。
まとめ
コンドロクラディア・リラのお話はいかがでしたでしょうか?
本当に不思議な生物でその生態もほとんどわかっていませんが、コンドロクラディア・リラに関するいろいろな疑問や気になることなどのがありましたら、お気軽にコメントしてくださいね。
他にも紹介してほしい深海生物などいましたら、どんどんリクエストお待ちしております。
これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。