皆さんはダイオウイカという深海の巨大イカをご存知ですか?

ニュースでも度々取り上げられているので、知っているという方も多いと思います。

ダイオウイカの姿はスルメイカなどと似ていますが、そのサイズは全くの別物です。

ダイオウイカはダイオウホウズキイカとともに、世界最大級の無脊椎動物(むせきついどうぶつ)として知られています。

そんなダイオウイカについて詳しくご紹介します。

ダイオウイカの生態と特徴について

ダイオウイカは、軟体動物門頭足鋼(なんたいどうぶつもんとうそくこう)ダイオウイカ科に属している巨大なイカの1種です。

生息水深は650~1000mで、生息地は全世界の深海です。

無脊椎動物の中で最も巨大な生物とされ、全長は最大18mもあります。

イカの特徴といえば、ギョロリとした大きな目玉ではないでしょうか。

小さなイカの目玉も大きいですよね。

ダイオウイカの目玉は私たちの想像を超えるほど大きく、最大で直径30㎝もあります。

身近なもので例えると、大人用のバスケットボールほどの大きさです。

バスケットボール大の目玉なんて、想像しただけで怖いですよね。

ダイオウイカの眼には人間と同じようにレンズと網膜があります。

ダイオウイカの眼は感度が良く、わずかな光でも感じ取れるようになっており、暗い深海でも多くの光を集められるように目玉が大きくなったのではないかと考えられています。

ダイオウイカは小さなイカや魚などを食べるとされていますが、その捕食方法がとても怖いということをご存知ですか?

ダイオウイカの口は上下2枚のあご板があり、鳥のくちばしのようになっています。

この鳥のくちばしのように鋭くとがった部分を「からすとんび」といいます。

また、ダイオウイカには触腕(しょくわん)と呼ばれる長い腕が2本あり、触腕には大きな吸盤が密集しています。

出典:factins.com

ダイオウイカの吸盤にはのこぎり状の硬い歯が円形をなして備えられており、獲物を捕獲する際には吸盤についている歯を相手の体に食い込ませることで強く絡みつくそうです。

ダイオウイカは大きな目玉で獲物を見つけると、2本の触腕を長く伸ばし吸盤を食い込ませ、残りの8本の腕で獲物を抱えこみ、鋭くとがった口で削り取るように獲物をかみ切りながら捕食すると考えられています。

もしもダイオウイカに捕まってしまったら…考えただけでもゾッとしますね。

ダイオウイカは深海で浮力を得るために、体内に海水よりも軽い塩化アンモニウムを含んで沈まないようにしています。

深海では体に空気が入っていると水圧によって潰されてしまうので、浮袋を持たずに油などを体に蓄えているものも多いですからね。

ダイオウイカも他の深海生物と同じように、深海で生きていくために工夫しているんですね。

そんなダイオウイカですが、生きている姿の目撃例はほとんどありません。

世界で初めて深海で泳ぐダイオウイカをとらえた映像は、2013年に日本の研究家である窪寺恒己(くぼでら つねみ)博士率いるチームによって、小笠原沖の水深650m付近で撮影されたものです。

その映像は2013年にNHKで公開され、話題になりました。

深海で獲物にとびかかるダイオウイカ、迫力満点です。

体色は光に反射して黄金色のようにも見えます。

ダイオウイカがとても神秘的で、動画を見るだけでワクワクしてしまいますね。

ダイオウイカはまだまだ生態や個体差など不明な点が多い生物ですので、もっとダイオウイカの詳しい生態が明らかになるといいですね。

伝説の生物クラーケンのモデルはダイオウイカだった!?

クラーケン」という伝説上の生物を聞いたことはありますか?

クラーケンとは海の怪物としてヨーロッパで語り継がれている伝説上の生物で、その多くが巨大なタコやイカのような姿で描かれています。

出典:wikipedia

そんな海の怪物クラーケンのモデルがダイオウイカだと言われています。

確かにダイオウイカは巨大なイカですもんね(笑)

怪物と思われても仕方がありません。

ダイオウイカの全長は18mとされていますが、クラーケンは船を沈めてしまうほどの大きさだと言われています。

もしも本当にクラーケンの正体がダイオウイカだった場合…

もっと巨大なダイオウイカが深海のどこかに存在しているかもしれませんね。

ダイオウイカの天敵!マッコウクジラ

深海の巨大生物であるダイオウイカにも天敵は存在します。

それが四角い頭が特徴の「マッコウクジラ」です。

マッコウクジラはクジラの中で最も高い潜水能力を持っており、エサとなる獲物を求めて深海に潜ります。

マッコウクジラの主な餌はイカ類であり、ダイオウイカも食べられていることがわかっています。

マッコウクジラの頭部の皮膚には、ダイオウイカの吸盤でつけられた傷跡が残っていることがあるので、ダイオウイカとマッコウクジラの戦いが繰り広げられているのではないかと考えられているのです。

ダイオウイカとマッコウクジラが出会った時の光景、いつか見てみたいですね。

ダイオウイカの寿命は?

ダイオウイカは体が大きいため、とても長生きしているように思いますよね。

ダイオウイカの寿命はどのくらいなのでしょう?

実は、ダイオウイカの寿命はとても短いんです。

ダイオウイカの寿命は2~5年とされており、専門家によって見解は様々ですが正確な寿命はわかっていません。

ちなみにダイオウイカの卵は1㎜程度ととても小さく、この小さな卵が短い寿命と関係しているのではないかと考えられています。

出典:毎日新聞
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あんなに大きなダイオウイカの卵が1㎜程度だなんて、驚きっス!

ダイオウイカは食べられるの?

皆さんはイカを食べたことはありますか?

アオリイカやヤリイカ、スルメイカなどの食材としてメジャーなイカたち。

すごく美味しいですよね。

では、ダイオウイカはどうなのでしょう?

姿はスルメイカと似ていますから、味も似ているかもしれない!と期待を抱いた人は多いはずです。

スルメイカ

そんな期待もむなしく、ダイオウイカは食用にはむかないそうです。

その理由はダイオウイカの体内にあるアンモニア

上記でも説明しましたが、ダイオウイカは浮力を得るために体内に大量の塩化アンモニウムを含んでいます。

この塩化アンモニウムによって独特のえぐみや臭みがあり、食用にはむかないとされているのです。

今まで多くの研究者や漁師が試食したことがあるようですが、その感想は「えぐみや苦みがあって美味しくない」「独特のアンモニア臭がある」「しょっぱくて食べられない」ということです。

ですが、ひと工夫加えれば美味しく頂けるようになるそうです。

その方法は、生ダコのように塩もみしてぬめりをとった後に、日本酒を薄めた水に一晩つけておくだけ

たったこれだけで独特のアンモニア臭がなくなり美味しくなるのだとか。

(滅多にないと思いますが)ダイオウイカを食べる機会があるという方は、ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

ダイオウイカについてのお話はいかがでしたでしょうか?

まだまだ謎の多いダイオウイカ。

マッコウクジラとの戦いや、深海で暮らしている姿がもっと見られるようになればいいなと思います。

他にも深海生物に関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたらお気軽にコメントしてくださいね。

これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。

最後までご閲覧いただきありがとうございました。