「え?こんな生物本当に存在するの?」と疑問に思ってしまうほど、見た目のインパクトが強いこの魚。
まるでCGのようですが、本当に存在しています。
この魚は「デメニギス」という深海魚で、1939年に新種として発見されました。
発見当時に採集されたデメニギスには頭の透明な部分がなく、眼が飛び出した魚だと考えられており、ニギスという魚の仲間で眼が出ていることから「出目ニギス」と呼ばれるようになりました。
生きた姿が観測されたのは2004年のことで、頭部をおおう透明な膜の存在もこのとき初めて確認されたと言われています。
デメニギスは傷つきやすく、水揚げされた時にはすでにボロボロになっていることがほとんどです。
生きた個体を陸まで運ぶことがとても難しいため、いまだ多くの謎があり詳しい生態はわかっていません。

ここでは僕たちデメニギスについて、詳しく紹介するっス!
デメニギスの生態と特徴について
デメニギスはニギス目デメニギス科デメニギス属に属する魚で、主に太平洋北部の冷たい海や日本近海の水深400~800mの深海に生息しています。
デメニギスの特徴であるコックピットのような頭部は、透明なドーム状の膜でおおわれており、その中はゼリーのような物質で満たされています。
触れるとプルプルとした質感があるのだとか。
大きさは全長15㎝ほどと意外にも小型で、体はとても柔らかく、採集されてもすぐに崩れてしまうそうです。
体色は頭の透明な部分以外は黒っぽい色をしており、暗い深海の世界では目立たないようになっています。

突然ですが、ここでクイズっス!
Q.デメニギスの眼はどこにあるでしょう?

正解は「透明な頭の中」っス!
口の上にある2つの穴のような部分を眼だと思た方、残念。

みんなが眼と間違う部分、実はこれ「ナーレ」と呼ばれる鼻孔。
つまり僕たちの鼻の穴っス!
紛らわしい~!

デメニギスの眼は透明な頭の中にある大きな緑色の部分で、普段は真上を向いてるっス!
獲物が前にいる時には正面を見ることもできるっス。
ではデメニギスの正しい眼の位置がわかったところで、もう一度デメニギスの顔をよく見てみましょう。
何度見ても、紛らわしい!
よく見ると、なんだかとっても間抜けそうな顔に見えますね…(笑)
デメニギスの緑色の大きな眼には優れた集光能力があり、上方から差し込むわずかな光によってできる獲物の影を捉え、捕食すると考えられています。
周囲を警戒しながら餌となる生物を探す「探索機能」と、餌を追尾しながら観察する「捕獲機能」の2つの機能も兼ねそろえている、とても便利な眼なのです。
デメニギスの詳しい生態はわかっていませんが、主に小魚やクラゲをエサとしていると考えられています。
また、クダクラゲの触手についている獲物を横取りする習性があるとも指摘されており、一説では、デメニギスの目が透明な膜の中にあるのは、クラゲの触手から目を守るためではないかとも言われているようです。

エサの少ない深海では、横取りも生きるために必要な手段のひとつっス!
デメニギスが見られる水族館はあるの?
上述したようにデメニギスはとてもデリケートな魚です。
網に捕まってしまった個体は傷だらけになり、透明な頭の部分も潰れてしまうのですぐに絶命してしまいます。
なので、詳しい生態はもちろん飼育方法もわかっていないため、残念ながら現在日本で飼育・展示している水族館はありません。
日本の水族館ではデメニギスを見ることはできませんが、アメリカのカリフォルニア州にある「モントレーベイ水族館」では、なんとデメニギスを飼育しているのだそうです。
モントレーベイ水族館は初めて生きたデメニギスの撮影に成功した水族館であり、水生生物に関して世界でも有数の研究機関です。
アメリカなので国内のように気軽に行ける場所ではないですが、私も一度は行ってみたい水族館のひとつです。
デメニギスは食べられる?味は?
深海生物について調べると「食べられるのか」「味はどうなのか」と疑問に思う方が多いように感じます。
深海生物を食べることは、私たちが思っているほど特別珍しいということではありません。
例えばホタルイカや金目鯛、サクラエビなどは深海生物なのです。
食べたことがあるという方、多いのではないですか?
その他にも、すり身や明太子の原料になっているメルルーサやスケトウダラも深海生物です。
私たちが知らないだけで、実はたくさんの深海生物が食用として出回っているのですね。
さて、話を本題に戻しましょう。
「デメニギスは食べられるのか」ということですが、結論からいうと食べられるかもしれないけれど、食べたことがあるという人はいないです。
デメニギスを食べたことがあるという方は、探してみても見つかりませんでした。
デメニギスはまだまだ謎が多い生物ですからね。
食べる前に調べることいっぱいあるよ!という感じなのかもしれません。
味については、デメニギスが属しているニギス目のニギスは食用として食べられているので、その味に似ているのではないか?という考えの方が多いようです。
ちなみにニギスは塩焼きや天ぷらなどで食べられていますが、新鮮なものでないと刺身や塩焼きは美味しくありません。
同じニギス目のニギスが食べられているので、デメニギスも食べられるかもしれないですね。
味が美味しいのかはわかりませんが…(笑)
いつの日か「デメニギスを食べてみた」という勇者が現れるかもしれませんよ。
まとめ
デメニギスについてのお話はいかがでしたでしょうか?
こんな生物が地球上に存在しているなんて、やっぱり深海は面白い!
他にも深海生物に関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたらお気軽にコメントしてくださいね。

たくさんの人に僕たちのことを知ってもらえたら嬉しいっス!
これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。