皆さんは「ゲイコツナメクジウオ」という深海生物をご存知でしょうか。
このゲイコツナメクジウオ、実は私たち人間や魚、鳥などの背骨がある生物、いわゆる「脊椎動物」の祖先と言われている生物なんです。
私たちと姿かたちは全く違うし、とにかく謎に包まれている!
まだまだ謎だらけのゲイコツナメクジウオについてご紹介します。
ゲイコツナメクジウオの生態と特徴
ゲイコツナメクジウオは脊索動物門頭索動物亜門(せきさくどうぶつもんとうさくどうぶつあもん)ナメクジウオ目ナメクジウオ科に属するナメクジウオの一種です。
「ナメクジウオってなに?」という方のために、ナメクジウオについて少し説明させてください。
ナメクジウオとは、小型で魚のような形態をした動物です。
ナメクジウオは脊索動物門頭索動物亜門に分類される原始的な脊索動物で、脊椎動物の祖先に近い動物であると考えられています。
全世界の温かい浅海に生息しており、体全体を左右にくねらせて素早く泳ぐことができます。
ですが、普段は海底の砂の中に潜って生活しているそうです。
ナメクジウオは体長4~5㎝ほどで、表皮が無色透明なので神経管や内臓などが透けて見えます。
ナメクジウオには目がなく、心臓や脳やアゴもありません。
その代わりに、神経管のあちこちで光を感じることができます。
中国では食用としても大量に漁獲されていましたが、最近では乱獲や水質汚濁のためにその量は激減しています。

ナメクジウオは水質がきれいな浅海に住んでいるんダヨ。
だから、ナメクジウオの住めるようなきれいな海辺を取り戻すことが大切ダヨ。
さて、ナメクジウオの説明はこのくらいにして「ゲイコツナメクジウオ」の話に戻しましょう。
ゲイコツナメクジウオは2003年に鹿児島県近くの深海で発見されました。
他のナメクジウオは水がきれいな浅海に生息していますが、ゲイコツナメクジウオは腐ったクジラの死骸の近くという汚い場所に生息しており、その他の場所での発見例はありません。
そのため「ゲイコツ(鯨骨)ナメクジウオ」という名前が付けられました。
このように、クジラの死骸の近くに生息する生物を「鯨骨生物群集(げいこつせいぶつぐんしゅう)」と呼びます。

鯨骨生物群集にはゲイコツナメクジウオの他に、ホネクイハナムシなどがいるダコ。
ゲイコツナメクジウオの体長は15~60㎜ほどです。
現在見つかっているナメクジウオ(35種)の中で、もっとも原始的であると考えられています。
ゲイコツナメクジウオには目も脳もアゴも背骨もなく、アゴがないので口は開きっぱなしです。
口元にはヒゲがついており、そのヒゲでマスクのように口を覆うことができます。
腹部には楕円形の生殖腺が30個以上ならび、尾の部分は皮膚と脊索が伸びて糸状になっています。
ゲイコツナメクジウオが何を食べ、どのように暮らしているのか、詳しいことはまだわかっていません。
まとめ
ゲイコツナメクジウオについてのお話はいかがでしたでしょうか?
ゲイコツナメクジウオはまだ謎が多すぎてあまり情報もなく、さらには画像もほとんどありませんでした。
これからゲイコツナメクジウオについて分かったことがあれば、随時更新していきますのでよろしくお願いいたします。
他にも深海生物に関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたらお気軽にコメントしてくださいね。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。