皆さんは「コトクラゲ」という深海生物をご存知ですか?

コトクラゲは深海生物の中でもとても不思議な生き物です。

「コトクラゲ」という名前なので、クラゲであるということはわかりますよね。

ですが、このコトクラゲはクラゲなのに泳げないのです。

クラゲなのに泳げないなんて不思議ですよね。

ここでは、そんなコトクラゲについてご紹介します。

コトクラゲの生態と特徴

コトクラゲは有櫛動物門(ゆうしつどうぶつもん)クシヒラムシ目コトクラゲ科に属しているクシクラゲの仲間です。

「クラゲ」と「クシクラゲ」って何が違うの?と思った方もいるのではないでしょうか。

ここで少し、クラゲクシクラゲの違いについて説明させていただきます。

興味がないという方はとばしてください(笑)

皆さんがよく目にするクラゲと言えば「ミズクラゲ」だと思います。

ミズクラゲ

水族館などでよく展示されていますよね。

さらに、強い毒を持っていることで知られている「ハナガサクラゲ」や電気クラゲとして知られている「カツオノエボシ」などもいます。

ハナガサクラゲ

カツオノエボシ

出典:JIRO LIFE

これらのクラゲ類は、刺胞動物という別のグループに分類されている「クラゲ」です。

ダイグンソクダイグンソク

クラゲは毒を持っているから、見つけても絶対に触ってはダメだヨ。
クラゲに刺されて死亡してしまった人間もいるヨ。

クシクラゲ有櫛動物門に属する動物の総称で、名前に「クラゲ」とついてはいるものの刺胞動物のクラゲとはまた別の生き物なのです。

つまり、【刺胞動物=クラゲ】【有櫛動物=クシクラゲ】ということですね。

クシクラゲにはコトクラゲの他にも「カブトクラゲ」や「フウセンクラゲ」などがいます。

カブトクラゲ

出典:Pinterest
フウセンクラゲ

ダイグンソクダイグンソク

クラゲとクシクラゲの違いはわかったカナ?

クラゲとクシクラゲの違いがわかったところで、コトクラゲの話に戻しましょう。

コトクラゲは日本近海の水深70~230mに生息しています。

大きさは約15㎝と小さめです。

大人の手のひらサイズですね。

多くのクシクラゲは刺胞動物のクラゲ同様に海中を泳いで生活していますが、このコトクラゲは泳ぐことができません

コトクラゲは子どもの頃は他のクシクラゲのように海中をただよって暮らします。

そして、成長すると海底の岩や海底に沈んだ人工物の上などにくっついて暮らすのです。

出典:rfbolland.com

写真で見てもわかるとおり、コトクラゲは同じ種でも個体によって色が違います

色もカラフルだし、形もハートやウサギさんみたいでとても可愛らしいですね。

メンディーメンディー

なんだか恋愛運がアップしそうダコ。

コトクラゲの主なエサは小型のプランクトンです。

海底の岩や石に固着しているコトクラゲは、どのようにしてエサを食べているのでしょうか。

実はコトクラゲには触手があり、その触手をゆらゆらとなびかせて獲物を捕らえるのです。

出典:echinoblog

なんだかとても不思議ですよね!

コトクラゲの触手はベタベタとした粘着性のある触手なので、これを使って獲物を捕まえます。

この触手は普段は体内に入っており、海水の流れや何かの刺激に反応して伸びるそうです。

デメニギッスデメニギッス

触手を使って獲物を捕るなんて、なんだかカッコいいっス!

コトクラゲはとても珍しく、採集も難しい生物だと言われています。

そのため水族館などでの展示も少なく、いまだに謎が多い生き物です。

コトクラゲを発見したものすごい人物とは!?

このコトクラゲ、実はものすごい人物に発見されたことでも有名ですが、皆さんは誰だか知っていますか?

そのものすごい人物とは…

なんと!昭和天皇様です!

昭和天皇は海洋生物の研究者としても知られており、1941年にこのコトクラゲを発見しました。

発見された当初は「何かわからない生物」として記録されていたんだとか。

確かに不思議な生物ですもんね(笑)

コトクラゲの学名である” Lyrocteis imperatoris”の” imperatoris”はラテン語で「皇帝」という意味なのだそうです。

ちなみに、和名である「コトクラゲ」は竪琴(ハープ)に似ていることからつけられました。

コトクラゲが見られる水族館はある?

コトクラゲはとても珍しく、採集が困難な深海生物であると説明しましたね。

では、コトクラゲは水族館などで見ることはできないのでしょうか。

沖縄県にある沖縄美ら海水族館では、なんとコトクラゲの展示が行われていたそうです。

さらに、新江ノ島水族館アクアマリンふくしまでも展示の記録があります。

アクアマリンふくしまと沖縄美ら海水族館では、コトクラゲの繁殖にも成功しています!

採取が難しいコトクラゲの繁殖に成功するなんて、素晴らしいですね。

運がよければ小さい子どものコトクラゲを見ることができるかもしれませんよ。

ですが、水族館では生物の状態によって展示を中止する場合がありますので、水族館にコトクラゲを見に行く際には事前に「コトクラゲは現在展示されているのか」を水族館に確認することをオススメします。


沖縄美ら海水族館

【住所】
〒905-0206
沖縄県国頭郡本部町石川424番地

【お問い合わせ】
電話:0980-48-3748

【公式HP】
https://churaumi.okinawa/


アクアマリンふくしま

【住所】
〒971-8101
福島県いわき市小名浜字辰巳町50

【お問い合わせ】
電話:0246-73-2525
FAX:0246-73-2526

【公式HP】
https://www.aquamarine.or.jp/


新江ノ島水族館

【住所】
〒251-0035
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1

【お問い合わせ】
電話:0466-29-9960(代表)
   0466-29-9964(団体)
   0466-29-9963(報道)

【公式HP】
https://www.enosui.com/

まとめ

コトクラゲについてのお話はいかがでしたでしょうか?

コトクラゲは見た目もカラフルで可愛らしいので、これから人気になる深海生物かもしれませんね。

そんなキュートでカラフルなコトクラゲをもっとたくさんの方に知っていただければ嬉しいです。

他にもコトクラゲに関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたらお気軽にコメントしてください。

これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。

最後までご閲覧いただきありがとうございました。