皆さんはミツクリザメという深海のサメをご存知ですか?

私が初めてミツクリザメの写真を見たとき「なんかゴブリンみたいだな」と思ったのを覚えています。

ゴブリンとはヨーロッパの民間伝承に出てくる邪悪な妖精のことで、映画「ハリーポッター」のシリーズにも登場していたので知っているという方も多いのではないでしょうか。

そして今回、ミツクリザメについて調べようとしたところ…

なんとミツクリザメの英名が「Goblin shark(ゴブリンシャーク)」だったのです!

私は感動しました。

ということで、今回はミツクリザメについて詳しく調べてみました。

ミツクリザメの生態と特徴について

ミツクリザメは脊索動物門(せきさくどうぶつもん)ネズミザメ目ミツクリザメ科に属している深海のサメです。

ミツクリザメ科にはミツクリザメ属しか属しておらず、本種のみが含まれています。

世界各地でごく稀に発見されますが、目撃例の多くは日本の近くであることが多いようです。

表層から水深1200m、あるいはそれ以上の深海に生息すると考えられており、体長は2~5mほど。

推定では最大6mほどにまで成長するのではないかと考えられています。

ミツクリザメの形態が白亜紀(約1億4500万年前頃)に生息していた小型のサメ「スカパノリンクス」に似ていることから、生きた化石としても知られています。

スカパノリンクス

出典:paleoaerie

ミツクリザメの体色はピンクがかった白や灰色のような色をしています。

色素が少なく皮膚の下に流れる血液の色が透けて見えるため、ピンクがかった色に見えるようです。

出典:twitte

また、皮膚は水分が多いためか柔らかいのだとか。

ミツクリザメの最大の特徴といえば、とても長い「吻(ふん)」とエイリアンのように飛び出た口ですよね。

出典:terbaiknews
デメニギッスデメニギッス

吻(ふん)とは、動物の体において、口や口の周りが前に突き出ている部分のことっス!

この「吻」には、ロレンチーニ器官と呼ばれる微弱の電気を感じ取ることができるセンサーのような器官があります。

それを使って生物の体からでている弱い電気を感じ取り、砂の中に隠れている獲物でも見つけることができるのです。

ミツクリザメは長い吻を使って獲物を攻撃するのではないかとも考えられていましたが、実際には吻の部分はとても柔らかくフニャフニャとしているで、攻撃などには適していないそうですよ。

もう一つの特徴である前に飛び出すアゴは、実はサメの仲間の中では特別珍しいものではなく、肉食系のサメのほとんどが獲物を捕らえる際にアゴが前方に飛び出す仕組みになっています。

ただ、ミツクリザメの場合は顔の形が変わってしまうほどにアゴが飛び出して目立つので、特徴としてあげられることが多いようです。

どれくらい顔が変わるのか、比較してみましょう。

まず、これが口を引っ込めている状態のミツクリザメ。

なんだか少し可愛らしい顔をしていますね。

次に、口を突き出している状態のミツクリザメ。

怖い!顔違いすぎでしょ(笑)

メンディーメンディー

怖いからずっと口を引っ込めててほしいダコ。

ここで、ミツクリザメのにも注目してみてください。

ミツクリザメの歯は口の前半部分は細長く尖っており、少し内側に曲がっているのがわかります。

それに対して後半部分の歯はやや短く、ものを噛み砕くのに適した形をしているのがおわかりいただけるでしょうか。

このことから、ミツクリザメの前半部分の長く鋭い歯は、くわえた獲物を逃がさないようにする働きがあると考えられます。

ミツクリザメの主なエサは深海性の頭足類(イカやタコなど)と考えられていますが、奥歯を使ってカニなどの甲殻類や硬骨魚類(骨が硬い魚)などを食べることもあるそうです。

ミツクリザメの尾びれは非常に長く、このタイプの尾びれを持っているサメは底生性であることが多いので、あまり速く泳ぐことはできないと考えられます。

出典:WEB魚図鑑
ダイグンソクダイグンソク

底生性っていうのは、底生生物のことダヨ。
底生生物は水の中に生息している生き物の中で、海底近くに生息している生物のことなんダ。
ちなみに僕も底生性の生き物ダヨ。

ミツクリザメの繁殖方法や寿命などはわかっておらず、まだまだ謎に包まれています。

ミツクリザメの名前の由来とは?

学名Mitsukurina owstoni
和名ミツクリザメ(箕作鮫)
英名Goblin shark

ミツクリザメの学名である「Mitsukurina owstoni」は発見者であるアラン・オーストン氏と、東京大学で日本人初の動物学教授となった箕作佳吉(みつくりかきち)教授に捧げられたものです。

和名であるミツクリザメ(箕作鮫)も、箕作教授の名前から取られています。

箕作教授は有名な動物学者で、ミツクリザメの他にも「ミツクリエビ」や「ミツクリエナガチョウチンアンコウ」といった、箕作教授に因んだ生物の和名がいくつかあります。

ミツクリエビ

ミツクリエナガチョウチンアンコウ

出典:adictamente

英名である「Goblin shark(ゴブリンシャーク)」の由来も気になりますよね。

ミツクリザメは船上で逆さに吊り上げられるとアゴが飛び出し、鋭い歯がむき出しになります。

さらに、自身の体重で顔は膨らみ充血してブクブクに…

その姿がまるで地獄の悪鬼(ゴブリン)に見えることから、Goblin shark(ゴブリンシャーク)と呼ばれるようになったと考えられています。

その他にも日本では「テングザメ」と呼ばれることもあるようです。

ミツクリザメが見られる水族館はあるの?

見た目のインパクトが強いミツクリザメ、一度でいいから生で見てみたい!と思う方もいると思います。

私もその一人です。

では、ミツクリザメを見ることのできる水族館は存在するのでしょうか。

残念ながら、現在はどこの水族館も飼育展示は行っていないようです。

ミツクリザメは深海に生息しているサメですが、まれに漁の網にかかったものが水族館に搬送されて、飼育展示が行われることがあります。

神奈川県にある八景島シーパラダイスでは、過去に13匹ものミツクリザメが漁の刺し網にかかり、そのうちの11匹が水族館に運ばれ展示されました。

ですが、今のところミツクリザメの水族館での長期飼育記録はなく、たまたま生態が捕獲できた際に短期で展示されるということがほとんどです。

水族館でのミツクリザメの飼育期間は短くて1時間長くても数十日ほどだそうです。

ミツクリザメは深海の生き物なので、やはり飼育をするのはとても難しいのでしょうね。

どうしても生きているミツクリザメが見てみたいという方は、ミツクリザメの捕獲・展示の情報が入ったらすぐにその水族館に見に行くしかないようです。

ちなみに、今までミツクリザメを飼育したことがあるという水族館は、

 葛西臨海水族園(東京都)
 新江ノ島水族館(神奈川県)
 八景島シーパラダイス(神奈川県)
 沼津港深海水族館(静岡県)
 あわしまマリンパーク(静岡県)
 東海大学海洋科学博物館(静岡県)
 伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)

などがあります。

ミツクリザメの標本展示を行っている水族館も調べてみました。


 しながわ水族館(東京都)

【住所】
〒140-0012
東京都品川区勝島3-2-1

【お問い合わせ】
電話:03-3762-3433

【公式HP】
https://www.aquarium.gr.jp/


 新江ノ島水族館(神奈川県)

【住所】
〒251-0035
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1

【お問い合わせ】
電話:0466-29-9960

【公式HP】
https://www.enosui.com/


 京急油壺マリンパーク(神奈川県)

【住所】
〒238-0225
神奈川県三浦市三崎町1082

【お問い合わせ】
電話:046-880-0152

【公式HP】
http://www.aburatsubo.co.jp/index.php


 沼津港深海水族館(静岡県)

【住所】
〒410-0845
静岡県沼津市千本港町83番地

【お問い合わせ】
電話:055-954-0606

【公式HP】
http://www.numazu-deepsea.com/


 東海大学海洋科学博物館(静岡県)

【住所】
〒424-8620
静岡県静岡市清水区三保 2389

【お問い合わせ】
電話:054-334-2385

【公式HP】
http://www.umi.muse-tokai.jp/

標本でもいいから是非見てみたい!という方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

ミツクリザメのグッズが人気!?

なんと!ミツクリザメのぬいぐるみがじわじわと人気を集めているそうです。

エイリアンのような見た目なのにナゼ!?と思いましたが、ミツクリザメのぬいぐるみを探してみるとなんとも可愛らしくデザインされたものが多いんです。

出典:colorata.com

これなら私もほしい(笑)

ミツクリザメのグッズはぬいぐるみ以外にも、フィギュアやイラストも人気があるようです。

Amazon ミツクリザメ

まとめ

ミツクリザメについてのお話はいかがでしたでしょうか?

Goblin shark(ゴブリンシャーク)という英名は本当にピッタリですよね!(笑)

他にもミツクリザメに関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたら、お気軽にコメントしてくださいね。

これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。

最後までご閲覧いただきありがとうございました。