つぶらな目と耳のような小さなひれ。
この可愛らしい深海生物を知っているという方は多いはずです。
メンダコは「深海のアイドル」として多くの人に知られていますが、それは最近になってからだということをご存知でしたか?
一昔前まではメンダコの水中にいる姿の写真や映像はなく、深海からあげられて体がつぶれている標本写真や、上から見た丸くノペッとした姿が描かれた絵ばかりで、とても可愛らしいと思えるような印象はありませんでした。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)による深海映像や水族館による深海生物の展示、深海に関する書籍やグッズなどによって深海への注目が一気に上がったことをきっかけに、メンダコの可愛らしい姿がわかるようになったのです。
今では深海生物グッズの中でも、メンダコのぬいぐるみはとても人気があります。

ここでは、私たちメンダコについて詳しく教えるダコ!
メンダコの生態と特徴について

メンダコは軟体動物門頭足綱八腕類(なんたいどうぶつもんとうそくこうはちわんるい)メンダコ科に属するタコの一種なんダコ。
メンダコは、日本近海の水深約200~1000m付近の深海に生息しています。
全長は約26㎝で、主にヨコエビなどの小さな甲殻類を食べています。
メンダコの見た目は私たちがよく知っている普通のタコとはかなり違いますよね。
メンダコは普通のタコと違い、平たく円盤のような体で、8本のうでは膜でつながりスカートのようになっています。
また、普通のタコの吸盤は2列に並んでいますが、メンダコの吸盤は1列しかありません。

メスは同じ大きさの吸盤がきれいに並んでいるけど、オスは吸盤の大きさが不揃いになっているから、オスとメスを区別するのは簡単ダコ!
メンダコの吸盤の周りには細かな感覚毛が生えていますが、これは深海に生息しているタコ類の特徴でもあります。

感覚毛は、外界からの刺激を受け入れて取り込む機能をもつ毛のことダコ。この感覚毛を使って泥の中にいるエサを探すことができるんダコ!
深海に生息しているタコの多くは浅海に生息しているタコと違い、スミ袋を持っておらずスミをはくことができません。
メンダコもその一種です。
深海のタコの多くがスミをはかないのは、暗い深海で黒いスミをはいても無意味だからではないかと考えられています。
普段は海底の砂の中に体をうずめてじっとしているメンダコですが、体全体を広げたりすぼめたりして泳ぐこともあります。

泳ぐときは、耳のような小さなひれで進む方向を変えながら泳ぐんダコ。
このかわいい遊泳方法が、メンダコの人気の秘密でもあります。

みんなが可愛いって言ってくれて、とっても照れるダコ。
メンダコは普通のタコのように素早く動くことはできません。
エサの少ない深海で体力の消耗を抑えるために、ゆっくりとした動きになったと考えられています。
動画を見てわかる通り、メンダコの体はとても柔らかいです。
なので、水中から陸にあげると浮力が失われ、自分の体の重さに耐えられず潰れてしまいます。
あまりにも体が柔らかいため、捕まえる時には料理で使われる「おたま」ですくうこともあるそうです。
メンダコは英語でなんて言うの?メンダコのユニークな英名
生物の名前はラテン語で表記される「学名」、日本でつけられる「和名」、海外で使われる「英名」と様々な名前があります。
もちろん、メンダコにも学名や英名は存在します。
学名:Opisthoteuthis depressa
和名:メンダコ(面蛸)
英名:Japanese pancake devilfish
ここで注目してもらいたいのが、メンダコの英名である「Japanese pancake devilfish(ジャパニーズパンケーキデビルフィッシュ)」です。
これを直訳すると「日本のパンケーキ悪魔魚」となります。

悪魔魚だなんて失礼しちゃうダコっ!
かわいいと人気のメンダコが悪魔魚?と思いますが、水からあげられたメンダコを見てみると…
・・・。

・・・ダコ(照)
英語ではその他にも、泳いでいる姿が傘のように見えることから「Umbrella octopus(傘のタコ)」とも呼ばれています。
ちなみに和名である「メンダコ(面蛸)」の由来は、深海からあがるとお面のように平面状になるからであると考えられています。

名前がいっぱいで困っちゃうダコ。
メンダコは食べられるの?
深海のアイドルと呼ばれているメンダコですが、食べられるのか?という疑問を持つ方が多くいるようですね。
結論からいうと「食べられなくはないけど、たいして美味しくもない」ということです。
漁師の方の話によると、シンナー系薬品のようなきつい臭いがするため、メンダコが漁猟の網にかかった場合は他の魚に臭いがつかないように捨ててしまうそうです。
味はどうなの?と思いますよね。
味はというと「かなりしょっぱく、海水を飲むようでまずい」そうです。
つまりメンダコは食用としては向かないということですね。
それでも食べてみたいという方は、食べる機会があれば挑戦してみるのもいいかもしれませんよ。

で、できれば食べないでほしいダコ…。
メンダコに会える水族館はどこ?
深海生物の中でも人気の高いメンダコ。
生で見てみたい!と思っている方も多いと思います。
メンダコは深海性のタコなので詳しい生態はわかっておらず、水族館などでも飼育が難しいとされています。
ここでは、そんなメンダコを飼育したことがある水族館をご紹介します。
水族館にメンダコを見に行く場合は、来館する前に「現在メンダコは展示されているのか」を水族館に電話で確認することをオススメします。
葛西臨海水族園
葛西臨海水族園では、なんとメンダコが産卵し孵化することに成功しています。
残念ながら孵化したメンダコの赤ちゃんは、孵化した5日後に死亡してしまいましたが、水槽内での孵化は世界でも葛西臨海水族園が初めてです。
【住所】
〒134-8587
東京都江戸川区臨海町6-2-3
【お問い合わせ】
電話:03-3869-5152
【公式HP】
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/kasai/
サンシャイン水族館
サンシャイン水族館では、期間限定で深海生物の展示会を行うことがあります。
メンダコの展示もされたことがあるようなので、運が良ければメンダコを見られるかもしれませんよ。
【住所】
〒170-8630
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャインシティB2・B3
【お問い合わせ】
電話:03-3989-3452
【公式HP】
https://sunshinecity.jp/aquarium/
アクアワールド茨城県大洗水族館
アクアワールド茨城県大洗水族館でもメンダコの展示をしていたことがあります。
【住所】
〒311-1301
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8252-3
【お問い合わせ】
電話:029-267-5151
【公式HP】
http://www.aquaworld-oarai.com/
新江ノ島水族館
新江ノ島水族館ではメンダコの飼育チャレンジを行っており、最高48日の飼育に成功しています。
【住所】
〒251-0035
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1
【お問い合わせ】
電話:0466-29-9960
【公式HP】
https://www.enosui.com/
沼津港深海水族館シーラカンス・ミュージアム
深海の水族館と言えばここ!沼津港深海水族館シーラカンス・ミュージアムです。
メンダコに限らず、様々な深海生物を見ることができます。
【住所】
〒410-0845
静岡県沼津市千本港町83番地
【お問い合わせ】
電話:055-954-0606
【公式HP】
http://www.numazu-deepsea.com/
何度も言いますが、メンダコはとても飼育が難しい生物です。
場合によってはメンダコの展示がされていないこともありますので、メンダコをメインに見に行こうと思っている方は事前に水族館に確認しておきましょう。
メンダコのぬいぐるみが人気!
深海のアイドル「メンダコ」の魅力に、あなたも惹かれてきているのでは?
メンダコが泳いでいる姿や、じっとしている姿に癒される人は多いです。
可愛いメンダコちゃんをお家でも眺めていたい…
なんなら抱きしめたい!
そんな方にオススメなのが、大人気のメンダコグッズです。
なんといっても1番人気なのはぬいぐるみ。

有名Youtuberのヒカキンさんも、私たちのぬいぐるみを持っているダコ。
ここでは、可愛いメンダコグッズをご紹介します。
しんかいさん メンダコ ぬいぐるみXL
大きいサイズのメンダコのぬいぐるみ。
ふわふわで触り心地が最高です。
しんかいさん メンダコ ぬいぐるみストラップ
カラフルなメンダコが可愛い。
ストラップなので鍵や筆箱につけるのもオススメです。
海中散歩 おともだちビーンズ ぬいぐるみ メンダコ 全長15㎝
多少擬人化されたメンダコのぬいぐるみ。
小さめのサイズでにっこり顔が可愛いですね。
AQUA ぬいぐるみ マリン ハンドパペット 歩け軟体くん (メンダコ)
パペットタイプのぬいぐるみ。
前足4本に指を通せるようになってるので、お子様にもオススメですよ。
まとめ
メンダコについてのお話はいかがでしたでしょうか?

私たちメンダコのことを、もっとたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいダコ。
他にも深海生物に関するいろいろな疑問や気になること、紹介してほしい深海生物などがいましたらお気軽にコメントしてくださいね。
これからも何か情報が入り次第、更新していきますのでよろしくお願いいたします。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。